溺愛協奏曲
土曜日ということもあり店内は沢山の人で埋め尽くされていた



広い店内を歩いていると蓮に向けられる痛いほどの視線を感じる



蓮はどこ吹く風って感じであたしの手を痛いほど握って歩く



「迷子になるから手、離すんじゃねえぞ」



にやりと笑って耳元で呟く



もう!子供じゃないし



「迷子になんかならない!」



むきになって言うあたしってやっぱり子供かな



ケタケタ笑う蓮を見ているとやっぱり感じる周りの視線



「きゃ~かっこいい」




「声かけてみない?」




「なにあの女?ブスじゃん」



色々な声が聞こえてくる



気にしないようにしていてもあたしだって人間です



傷つくけど、見ず知らずの人にそこまで言われることに切れそうだった



「莉子、どうした?」



「えっ・・・・・な・・・なんでもない」



「・・・・・莉子こっち向け」



「えっ・・・・」


ふと、蓮を見つめると突然・・・・



唇が・・・・重なった



周りの叫び声が一瞬聞こえなくなり、地球上には蓮と私だけになったような気がした

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