溺愛協奏曲
喫茶店で茜ちゃんとガールズトークをして外を出た頃には



外はすっかり暗くなっていた




頭の中には茜ちゃんの言葉が渦を巻いたように広がっている



「蓮にとって女なんて性欲処理の捌け口でしかないし、一度寝た女とは二度と寝ない


みたい、普段幼馴染のあたし以外の女とあんまり親しげに口聞いてるの



見たことないから莉子ちゃんのことはそうとう気にいってるよ」




蓮はモテる・・・そうだよねあのルックスだけでもまるでモデルさんみたいだし



女なんて・・・性欲処理の捌け口・・・・



その言葉が頭に木霊する



今日来た女の人も蓮のことが大好きでそういうことをした訳であたしのこと


叩いたりしたけどあの人なりに蓮のことを好きだったんだと思う



だから、好きでもないのに平気でそんなことの出来る蓮に疑問を感じた



もう遅いから送ってあげるという茜ちゃんの言葉に甘えて家まで送ってもらう



車を降り、家の前をみると見慣れたバイク




煙草を吸いながら門のまえにもたれかかる蓮の姿があった




あたしを見つけるとすかさず煙草を足で消し駆け寄ってきた



「おせえ・・・」




「ごめん・・・茜ちゃんとガールズトークしてたら遅くなっちゃって・・・」




重苦しい空気が広がった


< 82 / 423 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop