溺愛協奏曲
「ところで涼君がなんで精華に?っていうか生徒会って」



「ああ・・・僕はこれでも白鴎の生徒会長で統合される前に色々と


こっちの生徒会とも話し合っておきたくて今日はこっちに来たってわけ


ついでに莉子ちゃんとのこともあったしね、ところで時間大丈夫?」



携帯を出し、時間を確認するとそろそろHRが始まる時間だ


「あっあたしそろそろ行くね、じゃあ気をつけて帰ってね」



鞄を抱え図書館を出ようとすると後ろから涼君の声がした



「莉子ちゃん・・・」



「えっ・・・なに・・?」



「蓮のやつさ・・・莉子ちゃん初めて見たときビビッときたんだって」



「・・・・・・?」




ふっと涼君が笑った



「なんかさビビッときたって言ってたよ、なんかなんだそれって笑っちゃったけど


人を好きになるときってきっかけなんて案外そんなもんなのかもね・・・・


だから、蓮に逢ってやってくれないかな?あいつけっこう落ち込んでるからさ」



「うん、わかった」



そう言って頷くと涼君は心底安心したような顔をした



図書室を出ると廊下で蓮にメールを打つ



;帰り忘れずに迎えにきてね   莉子;



すると一分もしないうちに返信が返ってくる



;了解 ;



相変わらずそっけない返事に苦笑いしたけど蓮らしいと思った




過去の蓮より未来の蓮を信じてみよう・・・心のなかでそう思った





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