秘蜜の秘め事
「ビックリしますよ。

初めて見たんですから」

「やっぱりそうだよね」

時々こうしてわたしと会話をしているけど、古沢さんはずっと机に向かっている。

わたしの方を、向くことなく。

ファンレターを読んだら、返事を書く。

また次のファンレターを読んで…。

それも、小説家の仕事の内だって思ってるよ?

自分の小説を読んで、こうして手紙を送ってくれたファンに返事を書く。

これも小説家の仕事だ、って。
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