秘蜜の秘め事

第3.5章~Hurusawa~

ブツッと、電話が切れた。

「――えっ…?」

思わず、僕は自分の携帯電話に視線を向けた。

規則正しい機械音が流れているだけだった。

時間は22時少し前。

今の音、何かの間違いだよな?

そう思いながら僕はリダイヤルから梨衣の携帯番号を出すと、彼女にかけた。

流れたのは、規則正しいアナウンスだった。

「電源が切れているか、電波の届かないところにいるか…」

アナウンスをさえぎるように、パタンと携帯電話を閉じた。
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