秘蜜の秘め事

第6.5章~Hurusawa~

梨衣を怒鳴ったのは、今日が初めてだった。

それも、自分の感情に任せて。

「――僕は、何がしたかったんだ…?」

春の夜風を肌で感じながら、僕は息を吐いた。

後ろに――窓越しにいる彼女の顔を見ることができない。


「――ッ…!?」

その日の朝、僕は汗だくで目を覚ました。

横にいるはずの梨衣に視線を向けると、そこに彼女はいなかった。

時計に視線を向けると、10時を過ぎている。

同時に、今日が月曜日だと言うことを思い出した。

月曜日は、当然学校だ。

彼女も行かなければならない。

だけど、
「どうしてそばにいないんだよ…」

さっきまでそこにいたであろう梨衣の場所に、僕は汗だくの顔を埋めた。
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