秘蜜の秘め事

第2.5章~Rie~

今朝届いたばかりの封筒を開けると、中から履歴書と手紙が1枚出てきた。

『残念ながら…』

最後を締めくくるように書いてあったその文字に、またかとわたしは息を吐いた。

5月も終わりに近づいた今日この頃。

落ちた会社は、今回で10件目に突入した。

「あーあ…」

息を吐いたわたしに、
「まだ次があるよ」

きぃちゃんこと真柴清純が言った。

大学内にあるカフェテリアで、わたしときぃちゃんはお茶をしていた。

大学4年生になると、単位はほとんど獲り終わり、週に1、2回はゼミに顔を出す程度となった。

でものんびりと残り少ない大学生活を謳歌している余裕はない。

そう、就職活動だ。

残り少ない大学生活を、この就職活動に当てないといけない。
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