秘蜜の秘め事
久しぶりに母に会えるのは嬉しい。

だけど、変わり過ぎたことがいろいろある。

特に、“真”の存在だ。

まさか、自分の娘がどこの馬の骨ともわからない…いや、真は小説家だ。

だけど、母はわたしと違って小説を読まない。

読んでも難しそうな経営学の本とか資格の本とか、そんなものばかりだ。

母が真のことを知らないからと言って、彼の存在を隠す訳にはいかない。

いつかは母に真を会わせる時がくるかも知れないのだ。

何より、わたしの好きな人を母に認めて欲しい。

「でも…水曜日は急過ぎるよ」

今日は金曜日だ。

水曜日なんて、あっという間にくる。
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