秘蜜の秘め事

第3章

その翌日のことだった。

「映画?」

ビー子から差し出された映画のチケットに、僕はビー子の顔を見た。

「試写会のチケットが当たったから、一緒に行かないかなって思って」

ビー子はそう言って、照れくさそうに笑った。

「子供と一緒に観に行けばいいじゃないか」

そう返した僕に、
「子供はその日学校の行事でいないから」
と、ビー子は返したのだった。

チケットの日づけに視線を向けると、来週の水曜日だった。

「気分転換にはいいんじゃない?」

ビー子が言った。

「えっ?」

僕は顔をあげて聞き返した。
< 360 / 440 >

この作品をシェア

pagetop