秘蜜の秘め事
ビー子は自嘲気味に笑って、
「私、嫌な女になれなかった」
と、言った。

「今だから言うけど、私…高校の時、エー男のことが好きだったんだ。

男としての意味で、エー男のこと意識してたんだ」

ビー子はそう言って、照れくさそうに笑った。

「でも…今エー男に再会して、話をして、一緒に映画を見て、気づいた。

本当は…好きとかそんなんじゃなくて、ただエー男に仲間意識みたいなものを抱いていたんだって。

漢字は違うけど同じ名前で、同じ音で。

それが原因でみんなにバカにされたり、混乱されたりみたいな感じで、お互いつらい思いをして、傷ついて…エー男に仲間意識を抱いてた。

でも当時は恋愛と仲間意識の違いって言うものがよくわからなかったんだよね。

だから、勝手に勘違いしちゃったのかも」

ビー子は言い過ぎたと言うように口を閉じると、息を吐いた。
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