【完・短編】~彼女は春を告げる~
「あんまり、そういうこと言うんじゃねーぞ?」
俺は失いたくないんだ。
幼馴染みという理由で隣にいれるこの関係を。
幼馴染みという理由で美琴が笑顔を向けてくれるこの関係を。
その笑顔を、その優しさを。
『何でよ~、将光だから言ってるのに』
頼む、乱さないでくれ。
これ以上、俺の心を掻き乱さないでくれよ。
ほんとに、本気で、どうしたら良いかが分からなくなる。
無理矢理にでも俺のものにしたくなる。