青い猫の花嫁

そこには、マラソンの練習をするクラスメイトの姿があって。
もちろんその中に、トワもいた。

淡い空色の髪はすぐに目がいく。


うんん、きっと彼は、そんな見た目じゃなくても人の興味を引くんだ。

でも、トワはそんなのは関係みたいで。
周りに人が集まっていても、あまり楽しそうではなかった。

本人に聞くと、「え?楽しいよ?」なんてしれっというけど……。


あたし、トワがほんとに心から笑ってるとは思えないんだよね。


でも。
あたしが今悩んでるのは、そーいう事じゃなくて……。


流れる汗を手の甲で拭うトワの姿をぼんやりと眺めていると、授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。



「やっと終わったね。お腹すいたーっ。ね、購買行こう?ほらほら、早くしないと話す時間なくなる~」

「おもしろい話なんかじゃないよぉ」



グイグイと腕を引っ張られ、半ば強引に立たされた。

と、その時だった。




「真子」







< 37 / 323 >

この作品をシェア

pagetop