WITH



「紗和さん?……廉ちゃんとは、別れてくださいね♪うやむやにしないで、はっきり廉ちゃんに“別れ話”してくださいね?」



そう残して蜜華さんが立ち去った後、ようやく私は嗚咽を漏らすことが出来た。


彼女の前でだけは、声を上げて泣きたくはなかったから……これ以上、惨めな思いは味わいたくない。


コンクリートの冷たさが直に伝わっても違和感が無いことで、長い間外にいたせいで冷たい外気に体温が奪われていることに気が付いた。



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