WITH
「そんな浮かない顔して、なんかあった?」
「え……?」
パソコンから顔を上げて、更に私を見上げる律に首を傾げてしまう。
私、そんなに浮かない顔してた……?
考え事してたからだとも言えるけれど、廉から聞いた過去の真実も晴哉との別れも
ついさっきのことだから、浮かない顔になってしまうのもしょうがないのかもしれない。
「廉先輩にも会ったんだろ?蜜華のことも……聞いた?」
「律、知ってたの!?」
「まぁ、ね……」
苦笑を返す律に、私は驚くことしか出来ない。
「7年前の事故のことも、廉と蜜華さんが結婚した理由も……?」
「……うん。今まで黙ってて悪かったとは思うんだけど。
就職して、先輩たちが結婚したあとに聞いてさ……先輩に、口止めされてたんだ」