WITH


奇跡的に、3年間ずっと同じクラスだった私と廉。


授業を受ける姿や友達とふざけている姿、いろんな廉を他の人より多く間近で見れた。


私の中学時代には、いつだって廉の姿がすぐそこにあった。


―――それも、今日で終わり。


卒業式を終えて教室で担任を待っている間も、離れた席に座り多くの同級生に囲まれる廉を見つめながら、溜め息を吐くばかり……


そのまま最後のHRさえ終わってしまい、最後だから…と廉をしっかり瞳に焼き付けて、話さないまま教室を後にした。






校舎の外では、別れを惜しんでいるたくさんの生徒がいたけれど、人影も少なくなった校舎の中は、とても静かだった。


もう来ることもないだろうと考えて校舎の中を見て周り、最後に図書室に来た時……いるはずのない姿を見た。



< 52 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop