WITH


今まで見たこともないくらい真剣に、まばたき一つしないでそう言う廉は、本当にカッコよくて……


そんな廉が、私を好きなんて信じられないよ……



「私で、いいの……?」


「紗和がいいんだって♪」



自信無さげな私の問いにおどけて答えた廉の言葉は、私の心に深く深く染み込んで……嬉しかったんだけど。



「じゃあ、付き合ってあげてもいいよ?」



照れ臭さもあって、いつもの癖で可愛くない言い方をしてしまった私。


そんな私に慣れっこな廉は、フッと笑いながら私の髪を耳にかけて、もう一度ギュッと抱き締めてくる。



「じゃあ、今日から俺の彼女だからね?紗和ちゃん♪」



耳元で囁かれたその言葉は、甘く私の体に浸透していって。


私も廉の背中にギュッと腕をまわして「……好き」と、呟くように伝えた。





―――それが、
私と廉の“幸せ”の始まり。

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