カノジョの死因、他殺。






葉山が連れてきたソコは、小洒落ていて落ち着きのある喫茶店だった。





・・・・・佐伯さんとも来た事があるのだろうか。





マスターとも顔見知りの様な葉山は、慣れた様子で奥の席へと歩いて行った。





葉山を追う様に、後に続く。





『ココのコーヒー、凄くおいしいから』と葉山が言ったので、コーヒーを注文した。





雰囲気のあるマスターが持ってきたコーヒーは、香ばしくて苦くて甘くて、葉山の言う通り、美味かった。






向かいに座った葉山は、コーヒーに口を付けると『ふう』と少しだけ息を吐いて、手持ち無沙汰なのか、ライターを取り出しては無意味にいじっていた。






「・・・・・タバコ、吸ってもいいですよ??」





「・・・・・イヤ。 辞めたんだ」






『吸いたくなくなっちゃった』ライターを見つめながら、葉山が顔を歪めた。






禁煙したのに持ち歩いてるライター。







多分、佐伯さんがあの日握り締めていたものだ。
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