隣の女
俺がそんなことを考えていると、一人の女が恐る恐る家庭科室に入ってきた。

「おまたせしました…。」

小さな声でそう言った女は宮坂だとすぐに分かった。
もし、一言もしゃべらなかったら誰かだなんて全く分からなかっただろう。

「宮坂だよな…?」

俺は確認のために聞いた。

「はい…。」

宮坂は恥ずかしそうに顔を下に向けて返事をした。

彼女の顔は決して可愛いとは言えない。
なぜなら、彼女は可愛いというより美しいという言葉の方が似合っているからだ。
美しいといっても外国のモデルとかいう顔じゃなく、目は少し吊り上っていて鼻も普通の人より少しだけ高くて唇は薄いというどちらかというとかっこいい顔をしていた。
もし、俺が顔だけで性格を想像するならこいつは気の強そうな女に見える。
けど、実際は違うようだ。

「そんなに見ないで。」

さっきより大きく聞こえたその言葉で俺は我に返った。

「あ、ごめん。考え事してた。」

俺は宮坂に謝り、昼食をとった。
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