禁断の果実を食べた二人
ザザーン、ザザーン、と穏やかな波の音と。
満月が綺麗に輝いている夜。
その近くには、小さな小屋があって。
“な、にをしているの?”
目の前では、同じ顔をした人が見ている。
それだけでは、見るだけなら尋ねる事なんかしない。
問題なのは………。
あたしの体勢だ。
制服姿のあたしは、コンクリートに仰向けになっている。
尚且つ、上着は捲れていて肌が見える。
それにスカートもきわどいぐらいに捲れていて太股が見えていた。
―――――― ずっと好きだったんだ。わかるだろ?
聞いた事の無い、冷たい声と感情を映さない瞳
思いがけない人からの告白に、あたしの頭は混乱している。
何故なら、言ってはいけない人。
“う、そよね。何を……いっ、ているのか、わか、っているの?あたしたち……は………”
ガクガクと身体が震えて、目の前にいる人が誰なのかさえわからない。
ドンっと強い音が聞こえて、あたしの身体が強張った。
――――― だから? 俺達は、二人で一人だ。何の問題もないだろう?莉音。
目の前の同じ顔をした人の手が、あたしを動けないように身体の両端に置いている。