I love you~最初で最後の恋~




「彼が、女の子なら育ててもいいって言ってくれたの。でも性別が分かった頃には既に遅かった。仕方なく産んで、施設に預けた」



仕方なく、って・・・・・・・



いっその事殺してくれた方がマシだった。



「彼とは2ヶ月後に別れ、次の彼と出会った。そして2年後に葵が生まれた。籍は入れなかったが、3人それなりに幸せに暮らしてた。でも彼とは馬が合わなくて葵が1歳になる前に別れ、施設に預けた」



「じゃあ俺の名字は父親のってことか?」



「いいえ。私はあなたに名前を一切付けていない。施設の人が名字も考えたんでしょ?きっと」



よくも平然な顔で次々と本当のことを言えるな。



「でもビックリ。昔の彼とそっくりなんだもん」



どうしてそんなに笑っていられるんだよ。



「あ、父親の名前は内海一星(うつみ いっせい)なんだけどね」




_____________!




内海一星は世界的なバンドのギタリストだ。



今は海外で活躍している。



「当時は売れないバンドだったの。だからあなたが生まれた」



懐かしいわ~、と昔に浸っている。



なんなんだよ。



「何しに来た訳?」

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