I love you~最初で最後の恋~
「彼が、女の子なら育ててもいいって言ってくれたの。でも性別が分かった頃には既に遅かった。仕方なく産んで、施設に預けた」
仕方なく、って・・・・・・・
いっその事殺してくれた方がマシだった。
「彼とは2ヶ月後に別れ、次の彼と出会った。そして2年後に葵が生まれた。籍は入れなかったが、3人それなりに幸せに暮らしてた。でも彼とは馬が合わなくて葵が1歳になる前に別れ、施設に預けた」
「じゃあ俺の名字は父親のってことか?」
「いいえ。私はあなたに名前を一切付けていない。施設の人が名字も考えたんでしょ?きっと」
よくも平然な顔で次々と本当のことを言えるな。
「でもビックリ。昔の彼とそっくりなんだもん」
どうしてそんなに笑っていられるんだよ。
「あ、父親の名前は内海一星(うつみ いっせい)なんだけどね」
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内海一星は世界的なバンドのギタリストだ。
今は海外で活躍している。
「当時は売れないバンドだったの。だからあなたが生まれた」
懐かしいわ~、と昔に浸っている。
なんなんだよ。
「何しに来た訳?」