I love you~最初で最後の恋~





満開な桜が吹く中、懐かしい制服に袖を通して久しぶりの登校。



「増井!始業式始まるぞ!」



桜吹雪の中、桜を眺めていると渡り廊下から先生が叫んだ。



先生、覚えてる?



私達この桜の下で出会ったんだよ?



吸い込まれそうな瞳に私は一瞬で恋に落ちた。



前例があれば私はその時に恋に落ちた自覚があっただろう。



でも、あの時に自覚しなくてよかったと思う。



もし自覚していたら私の気持ちに応えて貰えなかったと思う気がする。



それに、湊とは気不味くなってたかもしれない。



だから私はあの時恋に落ちたと自覚がなくてよかったのだ。



「先生、私ちゃんと卒業するから!」



それで堂々と先生の彼女だと宣言できる女になる。



「当たり前だろ。だから早く体育館に入れ!」


「はーい!」



こんなに素直に体育館に入るなんて自分でも驚きだ。



きっと注意したのが先生だからかな。

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