I love you~最初で最後の恋~




もう枯葉となり、散っている桜の木。



初めて先生と出会った場所。



軽く木に触れた。



私の恋も期待もこの枯葉のように散ってしまった。



どうして?



思うことはそればかりで



結局私じゃダメだったんだな、と思い知らされた。



あの時、忘れておけばよかった。



先生と終わった時、全部捨てて先輩に抱かれておけばよかった。



泣きたくない



何時もならそう思うのに今は泣きたい気分だった。



「おい、何してる」



突然背後から聞こえてきた男性の声。



『おい、遅刻か?』



なんでこんな時に昔のことなんて思い出すのよ。



「授業始ってるぞ」



「私が何処で何しようが関係ないでしょ」



泣き顔を見られない様に桜の木と向き合ったまま。

< 327 / 403 >

この作品をシェア

pagetop