珈琲に角砂糖
「天宮さん!」
急に隣から声をかけられ顔を上げると、
ふわふわとした長い髪が印象的な
とても可愛い女の子が立っていた。
「.....何ですか」
そう返事をしながら私はまた読みかけの小説に目を移した。
「あっえっと。あの、私天宮さんとお話してみたくって!」
私と貴女が会話して何になるっていうの。
「.....もう授業が始まるので席に戻ったらどうですか」
目すら合わせずに冷たくあしらう。
「あっうん、そう..だね!」
長い髪の女の子の声が沈む。
そして無理に明るく振る舞う。
ごめんね。
傷つけたいわけじゃないの。
肩を落として席に戻っていった彼女に私は心の中で謝った。