レインリリー
★現実★

同情と無情

「今日は時間、大丈夫?」


会社を出る時に

《今から向かいます♪》

メールを送ったからか

こないだとは違い本屋の外で待っていた吉川さんは

「お待たせしました」
「お疲れ」

の挨拶のあと当然のように私の腕から鞄を手に取った。


「あっ、はい、
そんなに遅くなければ大丈夫です」


慣れない優しさにお礼をいいそびれ
質問に返事をするのに精一杯の私。



「良かった。じゃ、どこ行こうか♪」

嬉しそうに微笑みかけられた
吉川さんの笑顔を目にすると

せっかくの決意が

また、揺らぎそうになる。。。
< 241 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop