すっぴん★

「小麦成分が入っているのか」

「と、いう事は、小麦アレルギーか」


俊介が、石鹸のパッケージに書いてある成分表を見ながらぽつりと呟
いた。

「これから、この洗顔石鹸は絶対に使用禁止の事」

俊介が、命令口調で言った。

「分かった」

素が、こっくりと頷いた。


「これで、アレルギーに苦しめられる事は無くなるだろう」

「良かった。良かった。本当に良かった」

俊介は、心から嬉しそう。

素が、目を細め頼もしそうに俊介の横顔を見た。


俊介の目には、薄っすらと光るものがある。


やっと、犯人を見つける事が出来たのか。
俊介の横顔には、安堵の色が浮かんでいた。





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