DECIMATION~選別の贄~

波多と安岡がラブホテルに聞き込み調査に踏み入った次の日、4人目の犠牲者が見つかってしまった。

「おいおい、こりゃあ。なんの冗談だよ」

その女性は四肢を切り取られ、胴と首を引き裂かれ、辱められた自分の恥部を覗き込むような形で切り取られた首と手が配置されていた。

女性の身体からは体液が検出された。DNA型はこれまでの3件の事件の体液と一致しなかった。

凄惨な現場を見て羽田は頭を抱えていた。

安岡は自分の非力さを呪うかのように、壁に頭を打ち付けて何かを叫んでいる。

4人目の犠牲者は、遺体が発見されたラブホテルの従業員の中田だった。
身体に残された体液は一緒に働く小林のものだと断定され、その体液にもやはり避妊具を用いた痕跡が一緒に見つかった。

第一発見者及びこの凄惨な連続強姦致死事件の犯人はこのラブホテルを経営する中富、そして北川の二人であったと断定された。

首謀者は北川で、中富は事件の隠蔽工作に加担していたことが判明する。

北川はラブホテルを訪れたカップルの中でも、援助交際を目的とした利用客をターゲットにしていた。

事情聴取の中で北川はある印象的な言葉を遺していた。

「僕はねクピードーなんですよ。実らない恋に落ちた哀れな男と、醜悪な中身に化粧を施した女という化け物を繋げてあげる正に天使さ」

北川は各部屋に取り付けられた監視カメラを使ってはターゲットとなるカップルを見つけていた。常習的に監視カメラを覗き見ていたことは参考人となった小林と、共犯である中富が認めている。

北川は絞り込んだカップルが部屋を出ると、ベッドメイキングの際に使用された避妊具をゴミ箱から持ち去っていた。

そして、ターゲットとなった女性を襲い殺害。その後、四肢と首を電動ノコギリで切断。

その死後に屍姦。

五体を切り離された哀れな女性達に、持ち去った避妊具から精液を注射器で抽出し、女性器に流し込んでいたのだった。

「彼らは今世にはアイツらと結ばれることは無かった。だが、僕はね。彼らをアイツらと結んであげたんだ、喜んでいる顔が目に浮かぶよ。

うふふ。うははははっ」

狂気に満ちた言葉の奔流に熟練の刑事ですら耳を塞ぎたくなったであろうことは、想像に難くないことだった。

中富は事件の全てを告白。北川が女性達を殺害する一部始終から、遺体を解体、その後に屍姦をしている最中にもカメラを回していた。

中富は女性達を拉致した罪と、殺害に加担した罪で実刑を受けた。

北川はその残忍で人道を外れた行いから終身刑を言い渡されたが、その異常なまでの女性に対する嫌悪、憎悪の理由に対しては答えはしなかった。

そして2件目の事件についてのみ否認し、まだ見つかっていない本当の2人目の被害者がいることを吐露したのだった。

北川が言った郊外の国有地には確かに、この事件特有の凄惨な遺体が置かれており、戸外で長らく放置されたその亡骸はいたいたしいまでに腐敗し溶け崩れていたという。


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