満月の人魚
瑠璃はAMANOのラボで幾度も血液検査を受けている。
父が瑠璃の体調を心配して検査を受けさせていると今までは思っていたのだがー

(違う思惑があったの?)

丈瑠は〝万病に効く妙薬〟だと言っていた。

瑠璃の脳裏に父の姿が過ぎる。
どこか威圧的で理知的な、冷たい印象を与えるあの瞳が、瑠璃を見据えているー

瑠璃は自分の身体を抱きしめながら呟いた。

「AMANOで、……何度も血液検査をうけさせられたの。」

丈瑠は険しい顔で頷いた。

「やはり狙いは血液か……。7年前から、AMANOの業績は急に伸びているんだ。瑠璃の拐われた時期と合う。」



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