ロリポップ
彼女が泣いていなかったら、その場から出て行っていた。
彼女は泣きながら、私がダメだったの?ってずっと繰り返していた。
そんなの男が悪いに決まっている。
それなのに、彼女は自分ばかり責めて泣くんだ・・・僕の胸にすがり付いて。
別かれたことを受け入れようと、必死に痛みを耐える姿がたまらなく切なかった。
華奢な体で、全身で苦しいと訴えながら泣く彼女は寂しいんだと思った。
甘えたかったのにって泣きながら、寂しくなんか無いって強がりながら、泣き続ける彼女を僕は抱きしめてあげるしか出来なかった。
目が覚めたときに、彼女が見上げてきたのには驚きすぎて・・・。
その日から益々、彼女が愛おしくてたまらなくなった。
彼女の姿を探さない日は無かった。
同期の瀬名さんが僕に好意を寄せてくれているのは分かっていた。
でも、僕には同期以上に瀬名さんのことは思えなかった。
そんな時、残業帰りの彼女と一緒になった。
あの時は出張が重なった時で、久しぶりに扁桃腺が痛くなって実家に寄って薬を出してもらった後だった。
彼女は僕と瀬名さんの乗ったエレベーターには乗らなかった。
避けられたようでショックだった。
だから、熱があるのが分かっていたのに待ったりして・・・。
結局、彼女に迷惑をかけてしまった。でも、彼女は困りながらも僕を看病してくれた。
そして、何故だか僕にキスをした。
あの時は熱で夢でも見たのかと思ったけど、目が覚めて熱が下がってもリアルに残る唇に残る感触に、現実だと思った。
彼女は何も言わなかったけど。
さっき、やっぱり気が付いてないと思ってた、と分かったけど。
驚いた彼女の赤くなった顔が可愛らしすぎて、僕をどこまで恋に落とす気なんだ・・・と思わずにいられなかった。
僕から連絡しなかったのは、彼女の気持ちを確かめたかったのもある。
あの、熱のあったときのキスの意味を、彼女の口から聞きたかった。
だから、自分からその話題を言い出さなかった。
けれど、彼女は電話をしてくれない。
最悪な事に年末に近づいて、仕事はMAXに忙しくなるし、出張には行かされるしで、ろくに彼女に会えないまま年を越した。
僕には双子の妹がいて、莉那の方が一人暮らしを始めたから、様子を見に行ってくれと父に言われていたので、様子を見に行った。
晩のご飯をご馳走すると言うから、近所のスーパーで買い物していたら彼女と偶然会った。
彼女はひどく驚いた顔をして走って僕の前からいなくなった。
しばらく、そこに立ち尽くしていた僕に莉那が「あんなに綺麗な人がお兄ちゃんの事好きなわけないじゃん」なんて、可愛くない事を言うから、スーパーに莉那を置いたまま僕は自分のマンションへ帰った。
今思えば、大人げなかったなと反省する。
でも、あの時の僕には気持ちに余裕なんて無かった。
彼女は泣きながら、私がダメだったの?ってずっと繰り返していた。
そんなの男が悪いに決まっている。
それなのに、彼女は自分ばかり責めて泣くんだ・・・僕の胸にすがり付いて。
別かれたことを受け入れようと、必死に痛みを耐える姿がたまらなく切なかった。
華奢な体で、全身で苦しいと訴えながら泣く彼女は寂しいんだと思った。
甘えたかったのにって泣きながら、寂しくなんか無いって強がりながら、泣き続ける彼女を僕は抱きしめてあげるしか出来なかった。
目が覚めたときに、彼女が見上げてきたのには驚きすぎて・・・。
その日から益々、彼女が愛おしくてたまらなくなった。
彼女の姿を探さない日は無かった。
同期の瀬名さんが僕に好意を寄せてくれているのは分かっていた。
でも、僕には同期以上に瀬名さんのことは思えなかった。
そんな時、残業帰りの彼女と一緒になった。
あの時は出張が重なった時で、久しぶりに扁桃腺が痛くなって実家に寄って薬を出してもらった後だった。
彼女は僕と瀬名さんの乗ったエレベーターには乗らなかった。
避けられたようでショックだった。
だから、熱があるのが分かっていたのに待ったりして・・・。
結局、彼女に迷惑をかけてしまった。でも、彼女は困りながらも僕を看病してくれた。
そして、何故だか僕にキスをした。
あの時は熱で夢でも見たのかと思ったけど、目が覚めて熱が下がってもリアルに残る唇に残る感触に、現実だと思った。
彼女は何も言わなかったけど。
さっき、やっぱり気が付いてないと思ってた、と分かったけど。
驚いた彼女の赤くなった顔が可愛らしすぎて、僕をどこまで恋に落とす気なんだ・・・と思わずにいられなかった。
僕から連絡しなかったのは、彼女の気持ちを確かめたかったのもある。
あの、熱のあったときのキスの意味を、彼女の口から聞きたかった。
だから、自分からその話題を言い出さなかった。
けれど、彼女は電話をしてくれない。
最悪な事に年末に近づいて、仕事はMAXに忙しくなるし、出張には行かされるしで、ろくに彼女に会えないまま年を越した。
僕には双子の妹がいて、莉那の方が一人暮らしを始めたから、様子を見に行ってくれと父に言われていたので、様子を見に行った。
晩のご飯をご馳走すると言うから、近所のスーパーで買い物していたら彼女と偶然会った。
彼女はひどく驚いた顔をして走って僕の前からいなくなった。
しばらく、そこに立ち尽くしていた僕に莉那が「あんなに綺麗な人がお兄ちゃんの事好きなわけないじゃん」なんて、可愛くない事を言うから、スーパーに莉那を置いたまま僕は自分のマンションへ帰った。
今思えば、大人げなかったなと反省する。
でも、あの時の僕には気持ちに余裕なんて無かった。