どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて
「なんか沈んでね?
何かあったら俺相談乗るよ~」
「あ、うんありがと」
一瞬、佐野くんに聞いてみればいいじゃんとも思ったけど
やっぱりこのことを本人じゃない人から聞くのはよくないし
はあ……。
でも、そしたらどうすればいいんだろ。
自分で聞けるなんて思えないし……。
そんな事を考えていると1時間目の授業開始を知らせるチャイムが鳴ったため
佐野くんは席に戻って行った。
1時間目は現国かぁ……。
教科書、教科書っと。
ゴソゴソと机の中を覗くが教科書はない。
あれ、おかしいな。
絶対机の中にあるはずなのに……。