どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


「あのね、私……ふられちゃったの

あの日……クリスマスイブの日

星野くん、彩花ちゃんと会ってキスしたんだって」


佐野くんの手がぎゅっ、と強くなったのが分かった。


言葉がたくさん、出てくるのはきっと、佐野くんだから


今ある気持ちを

外に吐き出したくて、聞いてほしくてしょうがないのかもしれない。



「ごめん、じゃなくて

お前だけを守るよって言ってくれないかなって期待してたのっ……」


話せばきっと、この心の悲しみは消えてくれる。


「こんな事を聞いてもね、

私まだ全然星野くんのこと好きで

今もね……っ、

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