どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて
「心ちゃん!」
そして、佐野くんにそうやって声をかけられた時
私は我に返った。
何、期待なんてしてるんだ。
そんなの自分の都合よく、とらえてるだけだ。
もう半年もたってる。
あれは私じゃなくて他の人だ。
「佐野くん、こっち行こう」
私は佐野君と人があまりいない所に向かった。
イベント会場から少し離れた広場。
そこは全然人がいなかった。
「人、全然いないね
やっぱりみんなイベント見てるんだね」
「…………。」
「ここの方が静かで落ちつく。
向こうはざわざわしてちょっとね」
「…………」