どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


「すっげぇ悔しいよ

めっちゃムカついた

でもさ、俺、気付いたんだ。

ずっとお前に嫉妬してたんだなって


俺にないものを持ってる

かっけぇな、ズリィなって。


そう思ってた。

いっつもお前が俺の目指す目標だったからこそ

お前の行いにムカついた」


俺は初めて渉の方を見た。

すると渉はひとり言をつぶやくかのように言った。


「だけどまぁ、敵わねぇよなー。

俺の目指すやつが、ライバルだったら」


遠くを見る先には、

悲しみとか、そんな感情があるんだろうか。


「まぁ、お前そんなに性格カッコよくねぇけど」


「うっせ。」


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