どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて


ドキ、ドキと心臓が強くうるさく鳴って私は固まる。

触れられた手を意識しながら見ていると


「取れた」

彼はそう言ってふわりと笑った。


ドキンーっ


もう一度鳴った心臓は一瞬だけ、私の呼吸を止めるようなものだった。


「心ちゃん、平気だった?」


佐野くんの言葉で我に返り


「だ、だいじょうぶ」


慌てて答える私。


しゃがみこんだ星野くんを差し置いて立ち上がれば

星野くんも続いて立ち上がる。


彼の笑顔がすき。

すごくたまーに見せる笑顔がなんだか私をポカポカさせるんだ。


ピリりりりりー

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