どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて
煮たり混ぜたりするのは星野くん。
佐野くんには水をくみに行ってもらったり
お皿の準備を頼むとみんな気合いを入れて動き出す。
星野くんも意外と気合いが入ってるみたいで
「ほ、星野くんっ!まだ野菜も入れてないから
ナベの前で立ってなくていいよ」
水も入れてない段階で彼はナベを見つめていた。
私は理沙の切り終えた野菜をトントンと切っていると
水をくみに行った佐野くんがなかなか帰ってこないことに気が付く。
どうしたんだろう……。
すべての野菜を切り終えて私は手を洗うと、水をくめる場所まで向かった。
「ふざけないでっ!!」
パシンーー
するとイキナリ聞こえてきた怒鳴り声。
草むらをかき分けて、たくさんの女子が囲むその中を見れば
佐野くんが頬をはらして立っていた。