シークレット・ガーデン


近くにその子の保護者らし人物はおらず、買い物に行ってしまっているようだった。


赤ちゃん連れで歩いていると、時々こんな風に『小さなお友達』が寄って来る。


親戚にも友人にも小さな子供がいない真彩には、こんな触れ合いが新鮮だった。


「この子は理亜っていうの。お姉ちゃんはお名前、なんていうの?」


真彩がその子に名前を尋ねると、
「ゆめか!4歳!」と元気な答えが帰ってきた。

司の娘も、4歳だと言った。


(4歳って、こんな感じなんだ…
結構、しっかりしているんだ…)


真彩は感慨深く思う。


ゆめかは、しつこいくらい繰り返し、いないいないばあ!を連発し、その度に理亜はアハアハアハ…とご機嫌な声で笑う。


最初は真彩も一緒に笑っていたけれど、ゆめかが何度も同じことをやるので、真彩の方が飽きてしまった。

携帯を取り出す。

光俊からはメールも電話もなかった。




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