シークレット・ガーデン



別れてから6年。

友達としてまた司と付き合えるなんて、思ってもみなかったことだ。


気心の知れた相手だから、なんでも相談出来る。


司の存在を知ったら、光俊は嫉妬をしてメールのやり取りを禁じるだろう。


夫には内緒のメル友だったけれど、真彩に罪悪感はなかった。



…なぜなら、司はもう、あの頃の司ではないから。



メールを始めたころ、司が真彩と別れてからのことを告白した。


それは、司の人生が大きく変化していった激動の日々だった。


25歳で、3つ年上の小さな劇団に所属する舞台女優と結婚したこと。


彼女が芝居で知り合った舞台関係者と恋に落ち、結婚生活が破綻、半年間の別居を経て、1年半前に正式離婚したこと。


再婚する為に、元妻が親権を放棄したこと。


司は、男手一つで4歳の女の子を育てるシングルファザーとなっていた。







「…あん。理亜っち、ちゃんと飲んでよ〜。
ほらあ。おっぱい美味しいでしょ?
好きだったじゃない〜
お願いだから、お口開けてよ〜」






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