シークレット・ガーデン


「嘘っ!マジぃ!?セーラー服?
今、それどこにあるの!?まだ着れるの!?」


「え〜……実家にあると思うけど。
お母さん、処分しちゃったかな…
あれ?セーラー服だったって前に言わなかったっけ?」


こんなことで目を輝かせる光俊に呆れつつ、真彩は答えた。


「知らねえよ!初めて聴いたし!
今度、探してこいよ!
俺の前で着てみろよ!」


光俊は、ツバをとばさんばかりの勢いで言う。
夫が抱くエッチな思惑は、すぐに想像がついた。


「やだあ。私、32歳だよ。
ウエストだってもう絶対無理。
理亜生んで、お腹の皮が伸びたままだし」


「ウエストなんて、適当に留めときゃいいよ!真彩なら着れるって。
なんなら、俺も高校の時の学ラン、鹿児島から送ってもらって着ようか?」


「え〜…もう〜光俊、絶対変なことしようと思ってるでしょ…」



のらりくらりと躱しながら、真彩は思い出していた。


確かに光俊には、高校時代の制服がセーラー服だったことは言っていない。


真彩がそれを言ったのは、司にだ……





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