シークレット・ガーデン


新婚初夜に純潔を捧げるのが、真彩の夢だったから。

若い彼らは、当然のごとく、真彩を抱きたがった。


服を脱いで身体を触らせてあげたり、口や手を使って欲望を満たしてあげたり、ギリギリの際どいところまでやっていた。


けれども、男はそんなのじゃ、我慢しきれる訳がない。

結局、二人とも愛想を尽かし、真彩の元を去っていった。


真彩は仕方ない…と諦めた。


同年代で学生の彼らは若過ぎて、真彩の求める結婚相手では、絶対になかった。



それなのに、司と、二度めに逢った時、真彩は長年の夢をあっさり捨てた。


親の仕送りで借りている司のアパートに遊びに行き、誘われるままに昼間から抱かれた。



司はセクシーな男だった。


司の大きな身体が欲しくて、
堪らなかった。


すれ違う人が振り返るくらい背の高い司に抱かれると、小さな子供になったみたいな気がした。


彼の逞しい腕の中で、結婚するとかしないとかは関係ない、今が幸せならばそれでいい、と思った。


真彩から初めてだと告白された時、司は半信半疑な顔をした。





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