イケメンルーキーに恋をした


あたしが彼の背中に声を張ると、上履きに履き替えた田尾くんは髪を触りながら振り返った。


そしてあたしを見て、一瞬ピクリと眉を動かせる。


「田尾くんおはよう!!」


「…………」


「あ!! あたしのこと覚えてる? 名前!! 神村 美……」


「……ミニ」


田尾くんを前にするとどうしても早口になってしまう自分にいけないと思いながらも名前を口にすると、彼がボソッと呟いたのであたしはパチパチと瞬きを繰り返した。


……ミ、ミニ?


「ミニでしょ? 名前。ミニ先輩」


表情を全く変えずにクールに言う彼は、わざと冗談で言っているのか、それとも本気であたしの名前をミニだと思っているのかわからなくて反応に困ってしまう。


「ミ、ミニじゃなくて、美海!! いくらチビだからってミニなんて……」


語尾が小さくなり、ゴニョゴニョと口の中で言葉をこもらせる。


先輩のことをイワシスキだと聞き間違ってみたり、あたしをミニだと言ってみたり……。


もしかして、彼も先輩と同じでちょっとアホとか……?


って!! そんなことはどうでもいいわ!!



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