イケメンルーキーに恋をした


小さなクマのキーホルダーを手にしていたさおりが田尾くんを振り返って答え、「いや、これじゃないな」と首を捻りながらクマのキーホルダーを元に戻した。


「てか……なんで田尾くんが着いてきてるの?」


田尾くんのせいで落ちついて誕生日プレゼントを探せず、思わず聞いてしまった。


「いや、ふたりがずっとコソコソしてたから気になって」


素気なく答えた田尾くんの目線は、ワゴンの中に入っている可愛いぬいぐるみに。


両手で犬のぬいぐるみをを取って、両方を見比べていた。


「田尾くんも、岩石先輩にプレゼントあげるの?」


「まぁ、聞いてしまったからには何かしらあげようかと」


クールな表情の田尾くんは、さおりの後に続いて店内に入って行く。




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