続・捕らわれ姫




「“想い”だけじゃどうにもならない事はあるわ。

 それは、誰のせいでもなく……私達の生まれた世界の、“鎖”みたいなものね。

 断ち切るほどの、度胸も想いも足りなくて……

 そうして、大人は想い出に変えていく……」




今度は、確かに私の耳に届いた。



私に話してるような感じじゃなくて。

自身に言い聞かせるような言葉に、私は聞き返せなかった。



でも……


「……“想い出”なんかじゃない。
 私は今、先生が好きなんです」






まだ終わらせたくない。


人を好きになって、まだ1ヶ月しか経ってなくて……


それでも、終わらせられる程の軽い想いなんかじゃ、すでにない。



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