続・捕らわれ姫
* 3 *







日曜日は、あいにくの雨。





部屋でカーテン越しに空を眺めていると、ママが血相変えて私の部屋にきた。




「どうしたの?」


「さくらちゃん!大変なのよ!」



ママの普段あまり見ない着物姿に、私は驚き目を見開いた。




「おばあちゃまが倒れてしまって、いま忍さんの病院に運ばれたの!」


「え…っ」


「なのに、パパとママはどうしてもパーティーに出席しなきゃならなくて……

 だから――さくらちゃんお願い!!
 病院に行ってくれないかしら?!」


「……わ、分かった!すぐ用意する…っ」



ママのあまりの慌てように、私も一緒にオロオロしてしまう。

< 31 / 204 >

この作品をシェア

pagetop