私の彼氏は中国人留学生
「美月、今日は美月にプレゼント持ってキマシタ。
誕生日の、プレゼント」



暁明の話は話半分くらいに聞かなきゃいけないなぁと一人で考えていたら、彼が小さな箱をテーブルの上に置いた。


そういえば、この前誕生日いつなのか聞かれたんだ。

私の誕生日は四月上旬。

その時はまだ知り合いにもなっていなかったのに、なんだか悪いと思いながらも、箱を開ける。


出てきたのは、細長い緑色のもの。
私の名前が彫ってあるけど、これって......。



「えっと、これは......?」


「印鑑デス。翡翠の、印鑑。
中国ではとても縁起がイインダヨ」



誕生日プレゼントに、翡翠の印鑑って。

縁起がいいのかなんだか知らないけど、ものすごく、いらないです......。


印鑑もらって喜ぶ女子大生とかいないでしょ。


暁明は嘘をつく癖があるだけじゃなくて、センスも少し......だいぶおかしかった。


中国人留学生でも日本人と同じくらいオシャレな人がたくさんいるのに、暁明ははっきりいってダサい。


黒髪に起きたままのヘアスタイル。

それはいいとしても、スーパーで売ってるようなダサいTシャツにサンダルはいただけない。


背も高いし、顔も悪くないんだから、もう少しオシャレしたらモテると思うのに......。
< 11 / 244 >

この作品をシェア

pagetop