私の彼氏は中国人留学生
片付けが終わった頃にチャイムが鳴ったので、玄関を開けると。

そこにいたのは引っ越し業者の人、ではなく暁明だった。



「卒業おめでとう。
まだ片付け終わってないって言ってたから、手伝いにきたよ」


「来てくれてありがとう。
......片付けはもう終わったんだけどね」



がらんとした部屋に暁明を上げて、買って来てくれたケーキを二人で食べる。


二人でたくさん一緒に過ごした部屋も、今日で最後なんだね。

思い出の部屋からの卒業は、卒業式よりも悲しくて切ない。


私と暁明。

友達になってからも、毎日のように会っていたし、会えばキスだってして、時にはそれ以上のこともした。

友達と言っても、付き合っていた頃とほとんど変わらない。
友達か彼女か、呼び方が違うのと、それと私の中で期待しないように一線を置いてるぐらいで。

相変わらず暁明はおしゃれに興味もないし、二年前とあまり変わってない。


変わったことと言えば、たどたどしい話し方だった暁明も、いつのまにか日本人と同じくらい日本語が上手になったこと。
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