私の彼氏は中国人留学生
お母さんと話をした後、自分の部屋に戻って、加藤さんに断りの電話をかけた。

好きな人がいるので、結婚もお付き合いもできません、と。

結果がどうなっても、申し訳ないけど今の気持ちでは他の誰かと付き合うことなんて無理だから。


それから、もうどうするかはほとんど決まっているのだけど、最後に考えをまとめようと、今までのことを思い返す。

いつものようにぶさいくぱんだを抱きしめて。


暁明からもらったぱんだと同じように、たくさんの間違いをしてしまう私のそばにいてくれた暁明。

ずっと一緒にいられないのは仕方ないこと諦めなきゃいけないことだと思ってた。

親が認めてくれないのは、
私が日本人だから。
彼が中国人だから。
だから許してくれないんだって。

暁明はそれでも一緒にいたいと言ってくれたのに、勝手に一人で諦めた。

本当は先に壁を作ったのは私の方だったのかもしれない。


国籍は変えられないけれど、実際に一緒にいることで問題が起こるかもしれないけど。

それでもお姉ちゃんのカレのように、誠意を見せたら、もしかしたら......。
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