私の彼氏は中国人留学生
そうだよ、ね......。
同じ大学内でだって二股する人がいるんだから、もっと距離が離れてたら寂しくてつい浮気しちゃう人もいるかもしれないし。


知らないのは自分だけで、自国に残してきた彼女、彼氏がいるのかもしれない。

自分は本気でも、相手は日本にいる間限定なのかも。


そんな人もいるのかもしれないけど、でも暁明は私に嘘なんて......。

嘘なんて......、嘘はしゅっちゅうつかれてるんだった。

でもでも嘘はつくけど、私を悲しませるような嘘はつかないはず。

つかない、よね......。



「真面目に付き合ってる人もいるだろ?
つーかさ、いい加減な知り合いがいたとしても、美月の前でそんな話するなよ」


「やべ......そうだった、ごめん。
美月の彼氏、中国人だってことすっかり忘れてた」


「ううん、気にしないで。
ケンちゃんもありがとう」



気にしないで、とか言いながら、自分はものすごく気にしてるけど。

酔ってる時って忘れっぽくなったりするし、下世話な話もするし、悪気があったわけじゃないから怒る気にはならない。


ケンちゃんに合宿で宣言したように、暁明のことを隠さなくなってから、いつのまにか私の彼氏は中国人だと、みんなの知るところとなった。

あまりいい顔はされなかったけど、直接私に何か言ってきたのはケンちゃんくらい。
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