恋がはじまる音


まだ、間に合うでしょうか。


風より早く駆けるキミに、私の声は追いつくでしょうか。



「白築くんっ……!」



グラウンドの真ん中。


自分でもびっくりするくらい、大きな声が出て。



振り返ったキミが、驚いたような顔をしたあとに、にっこり笑顔を向けてくれた。



……瞬間。


キュン、と。


私の心の中で、


恋がはじまる、音がした。





*END*

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