その一枚が二人を出会わせ、永久に愛を誓う
響け永遠の愛の誓い
カメラマンからの返事が来ないまま、結局、涼子の舞台の日が来てしまった。

できれば、この日は涼子にちゃんと自分の答えを伝えて迎えたかったのが・・・



今日の公演は19時からの一度で、明日と明後日は昼と夜の2回ずつの計5回の公演となっている。

そこまで覚えているのに、僕はアパートの部屋で窓に映る雨模様の夕方の景色を見ていた。

夕方といえど、もうすっかり暗くなりつつあり、秋というよりは冬に近い肌寒さが伝わってきた。



そのとき、携帯電話が鳴り響き、もしかしたらと思い慌てて取った。


「もしもし」


期待していた声ではなく親友の声だったので、少しだけため息をつき、声のトーンを落として受話器越しに返事をした。


「あのさ、その・・・」


いつもと明らかに様子がおかしかった。

不思議そうにこちらが向こうの言葉を待っていると、遠くから別の声が聞こえてきた。


「おい、やめろよ」


「いいから貸して」


何やら電話の向こうが騒がしい。

一体、何をしているのだというのか。
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