現実少女と妄想少年

[謎の転校生]


HRを始め先生が何やらそわそわしている。

…なんだろう。と考えていると先生が口を開いた。

『えーと、もう知っているかもしれないが…うちのクラスに今日から転校生が来ます。どうぞ。』

転校生…?

あぁ、朝女子達が集まっていたのはそういうことか。


ガラッー…

扉が開く音がすると皆が注目した。
そして皆が見とれていた。

まぁ、確かに綺麗な人だ。

栗色の髪に外国人のように青い瞳、制服も着こなしている。


私には関係ないけどね。(冷たい視線)


そして彼が自己紹介を始めた。
『栗谷 春(クリヤ シュン)です。イギリスと日本のハーフです。だけど生まれてからずっと日本に住んでいるので英語はちょっと苦手です、特技は、んー…特技は…妄想ですッ!』

誰もが驚いただろう。

教室内がざわめく…。

それを静めるかのように先生は言った。


『栗谷の席はその真ん中の席!』

私は心底ホッとした。

近くなくてよかった…。
転校生の近くは人が集るからうるさいんだ。


それから先生から配布物が配られHRが終わった。
< 7 / 11 >

この作品をシェア

pagetop