キミ想い


突然の出来事に声も出せない私は、二人をただ見つめていた。


「……っ……強烈パンチ」


右手で頬を抑える蓮は、その言葉の後にクックと喉を鳴らして笑っているようで。

対するハルはすくっと立ち上がると。


「あー、いっけね。つい殴っちまったー」


あーあ、なんて言いながらハルが私と向き合う。


「ってことで、不本意だけど、なずなとは今日で恋人関係解消ってことで」

「えっ──」


そうして、驚く私を真っ直ぐに見つめ──



「ごめんな、困らせて」



泣きそうに微笑んだ。















< 318 / 404 >

この作品をシェア

pagetop